[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
~ みんなで旅行に行こう!
~ トラベル1
その日は珍しく、仕事を早く終えることができたので、早く帰る事にした。最近は仕事が忙しく、夜遅くに帰ることが多かったので。
…でもその度に、遅くまで渚が俺の帰りを待っててくれた。汐も無理やり起きて待っていてくれているみたいだが、帰る頃にはもう眠ってしまってる。ホント、二人には申し訳ない気持ちだ。だから、今日は早く帰って、驚かせてやろう。そう思う内に、俺の歩く速度も勝手に速くなっていた。
案の定、アパートに帰って二人の反応はとても驚いていたみたいだ。得に汐の方は、こんなに早く帰ってきたのが嬉しいのか、俺に飛び付いてきた。あ~思わず抱きしめてやりたいほど、可愛いぞ。まあ、渚と俺の子なんだし、当たり前か。…って、俺何気に恥ずかしい事言ってるよ。やばいやばい、俺も親バカか…。
久しぶりに三人で夕食を食べていると、
トゥルルルル……
「誰でしょうか?」
渚が立ち上がろうとして、
「あー、俺が出るよ」
それを止め、電話に出る。
「もしもし」
『あー、オレだ』
…やっぱり、オッサンだった。
『お前、今年のゴールデンウィーク空いてるだろうな。いや、むしろ空けろ。無理して空けろ』
「はあ、話の筋が見えねーんだけど」
『ちっ、話の通じねー奴だ。おい、早苗、ちっと説明してやれ』
あんたの説明が悪すぎるよと言いたいよ、俺は。
『はい、もしもし』
そんな事を思っている間に、早苗さんが電話に出る。
「…一体、オッサンは何が言いたいんですか」
『すみません、朋也さん。私から説明しますと、みんなで旅行なんてどうでしょうか?という事なのです』
「えっ…」
その言葉に、俺はビックリというか、唖然としてしまった。
「えっ、旅行ですか?」
すぐさま、さっきの電話の内容を二人に話した。
「ああ、そうなんだ。俺もそんな話とは思わなかったよ」
急に旅行なんてと言われてもな…急にどうしたんだろう…
「パパ…」
汐が俺に向かって、何か言いたそうだった。
「どうした、汐」
俺が聞いてみると…、
「…みんなと旅行行きたい」
「しおちゃん、旅行行きたいのですか?」
「うんっ、パパとママと、早苗さんとあっきーと、みんなで行きたい」
う~ん…、ここまで我が娘に言われると、行かなくてならないな。確か、旅行とかあんまりしてないし、この機会を逃す手はないな。
「よし、汐。パパとママと、早苗さん達と行くか、旅行。渚もそれでいいだろ」
「はい、私はいいですよ。しおちゃん、行きましょうね」
「わーい」
汐が大いに喜んでいる。ホント、行くのが楽しみなんだろうな。俺は電話を取り、早苗さんに旅行御一緒しますと伝えた。早苗さんも、一緒に行けることを喜んでくれているみたいだ。そんなこんなで、夜は更けていった…。
ゴールデンウィークはすべて休みを貰うことが出来た。芳野さんはというと、公子さん達とで、これもどこかに行くらしい。まあ、どこに行くかは、結局教えてくれなかったけど。
俺達は、古河パンの方に歩いていた。昨日の晩に、旅行の詳しい日程とかの説明をしたいからと電話があり、三人で向かっている途中。それにしても、暖かくなったもんだ。季節の移り変わりというのは、本当に早いもんだ。
「いらっしゃい。お~、来たな」
店の中に入ると、オッサンが店番をしていた。しかし、何時来ても客の姿がないな…。よく切り盛りが出来てることやら。
「ちっす」
「ただいまです。お父さん」
「こんにちわ」
一応一言言った後、俺達はおっさんに連れられて中に通される。中で早苗さんと会い、そこで、旅行の話へとなった。
今回の旅行の内容はこうだ。オッサンの昔の演劇仲間がまた九州で公演をするらしく、オッサンと早苗さんは、それに呼ばれているらしい。ついでだから、2~3人か連れてきてもいいと言われたため、俺達に話しがまわってきた。まあ、折角の休みだから、どこか近くを観光してみようともなっているみたいだ。
「…しかし、俺達みたいのが行っていいか?」
俺が率直に聞いてみる。
「いいんだよ、連れて来ていいって言ってんだから。誰連れていこうが、俺の勝手だ」
「まあまあ。折角みんなで行けるのですから、楽しまなくてわね」
早苗さんが俺達にそう言ってくれた。
「はい、そうですね」
「うん」
渚と汐が代わりに答える。そんな事で、俺達はオッサン達との三泊四日の旅行に行く事になった…。
旅行に行くとなると、あれこれ準備しなければならない。余所行き用の服やらいろいろ買わなくてはならないからホント大変だ。俺達は、休日に隣町のデパートに来ていた。ここなら、旅行の準備に必要な品が揃っているし、何かしらいい物が手に入ると思った。
最初に、洋服コーナーで俺と渚達の服を選んだ。二人は思い思いに選んでいて、まあ、服のセンスとか分かんなかったから殆ど渚に任せる事になったけど…。
その後は、小物品やらを揃え、その日にそこそこの準備をする事が出来た。後はぼちぼち揃えていく事になる…。
準備も整い、旅行の日が近づくごとに、渚と汐はそわそわしていた。まあ殆ど町から出た事がなかったし分からない事でもない。俺は二人を宥めるだけで精一杯だった。それくらい、二人にとっては、俺達家族と行く旅行だから楽しみなんだ。
そして、旅行当日の朝へとなった…
「う~ん」
この日は、いつもの眠さもなく、素直に起きる事が出来た。
「あ、おはようございます、朋也くん」
「パパ、おはようございます」
「おはよう、渚、汐」
二人は早く起きたのか、もう行く準備をしていた。…さて、俺も準備しないとな。さっさと布団を片付け、顔を洗った後に着替えを済ませた。既に食卓には朝食が並んでおり、三人そろって時点で食べ始める。片付けは俺がして、渚と汐は残りの服とかを詰める作業をした。
ガチャガチャ…
「よし、鍵も閉めたし、荷物も持ったし、行くか」
「「おー」」
一度古河パンに集合となっているから、そこに目指し歩いていった。道中、汐はウキウキしながらその小さな体を揺らしていた。
「しおちゃん楽しそうですね」
「ああ、そうだな。あんま旅行とか行った事なかったしな」
「私も楽しみです、えへへっ」
汐と渚が笑っている。俺も笑っている。そんな一時が何時までも続けばいいと思う。俺達は家族なのだから、何処までも、いつも一緒だからな。
「パパ(朋也くん)、早くー」
渚と汐が呼んでる。俺はその声がする方に足も速めて、二人のもとに行く…。
トラベル2に続く…
◆◇◆◇あとがき◇◆◇◆
え~、副管理人こと、Kです。(^-^) 今回、ちょっとした挑戦として中編を書いてみようと思い、書いてみました。まあ、ほのぼのとした感じで書いてみましたが、どうでしょうか。多分言葉が足りないとことかあるかもしれませんが、そこは広い目で読んで下さい。続きも早めに書いていこうと思います。感想をお待ちしております。m(_ _)m
2006 6/1 誤字・脱字を訂正しました。
|