~ みんなで旅行に行こう! ~ トラベル2

 古河パンで早苗さん達と合流し、駅から高速バスに乗った。走りだすと、見慣れた町の景色からまだ見ぬ別の景色へと変わっていく。流石に長く乗っていると暇なので、みんなでトランプなどをして暇を潰した。もちろんオッサンと俺が盛り上がり過ぎて、他の乗客から注意があったというのは言うまでもない話だが……。そして一通り盛り上がった後は、みんな眠ってしまい俺も肩に乗り掛かってる渚を起こさないように、眠りについた……。そしてバスに揺られる事数時間……。
ユサユサ……、
「朋也くん、起きてください」
「パパ、起きて」
「…う~ん」
二人の声に起こされ、眠い目を擦りながら周りを見てみると、丁度他の乗客が降りようとしているところだった。
「着いたから、早く降りる準備しろよ」
オッサンに言われ、俺は重い旅行カバンを持ちバスから降りる。降りた後は一度、今日泊まる所に荷物を置きに行き、それから公演のある会場へ……。そんなに距離は離れてなく、みんなで歩いて行った。

「…すげーな、これ」
「…はい、そうですね」
「…すごい」
会場に着いた頃には、もう長い行列が出来ており、その多さときたら、驚かない訳がなかった。おいおい……、こんなに人が入りきるのかよ。
「おい、何やってんだ。並ぶぞ」
「行きましょう、朋也くん、しおちゃん」
俺達もその行列に並び、やっと中に入れ指定された席に座って、幕が上がるのを待った。
 幕が上がり、拍手があると同時に、演劇が始まった。演じる役者の迫力ある動きやら、感情の変化など、どれをとってもスゴイとしか言い表せないものばかり。クライマックスに差し掛かる頃には、俺も誰もがステージに釘付けになっている。そんな時間もフィナーレとなり、幕が下るまで拍手の嵐が鳴り止む事はなかった。会場は大いに盛り上がりをみせたのだ。

「しかし、目の前で見るとなるとすごかったな」
確かに、あれだけの人が来るのも分かる気がする。それだけ見る者に感動を与える物だった。
「ぐすっ、感動しました~」
渚のやつときたら、あまりの感動のためか今も泣いている。まあ、本物の演劇を見れたのが嬉しいのは分からんでもないがな。
「ほら、もう泣き止めよな」
「はい、ずびません~」
早苗さん達はいうと、楽屋裏まで挨拶してくると言っていた。少し話し込むようだから、先に戻ってていいとも言われ、俺達は泊まる所に戻っている。手には、色々なグッズを持って……。
 帰りがけに、ファミリーレストランで食事をし、戻った後は、バスに長く乗ってた疲れが出たのか早く寝る事にした。早苗さんとオッサンも、俺達が寝てる時にこっそり帰ってきたらしい。こうして、旅行初日の夜は更けていった……。

 九州旅行2日目。この日は朝早くに起こされ、近くで朝食を済ませた後、今日もバスに乗り込んだ。
「ところで、今日は何処にいくんだ?」
今回の旅行の日程は、すべてオッサン達が決めていてこれからの予定は知らなかった。
「今日は別府の方に行くつもりだ。たまには、温泉でゆっくりして浸かりたいからな」
「わあ、いいですね。温泉」
温泉か……、そういえばあんま入った事なかったよな。
「温泉って何?…」
汐が聞いてきてから、
「ん~。まあ、しいて言うと、家のお風呂の何倍もある所だな。汐も入ってみれば驚くぞ」
「…楽しみ。早く入りたい」
「はい、着いたらみんなで入りましょうね」
渚がそう言うと、首を縦に振り頷いた。ホント、かわいいもんだな。
それからは、昨日の公演の話をしたり、またトランプなどをしながら暇を潰していった。そして数時間後……、
「う~ん、やっと着いたか」
別府の駅でバスから降りた俺達は、そこで地元のタクシーを拾い、今日泊まる旅館に向かった。

 着いた先は、いかにも老舗旅館と思わせる建前である。
「オレの友人がここの経営者やってんだ。それに、ここの温泉はかなり良いらしいぞ」
「さあ、私達も早く行きましょう。」
「おー」
 旅館の中は、古い事を思わせない位、床も壁も新築のように綺麗であった。奥からオッサンの友人らしい人が来て、お世話になりますと言ってからそれぞれの部屋に案内されていく。ちなみに、二部屋取っており、オッサンと早苗さんが「木蓮の間」で、俺達は隣の「睡蓮の間」に通された。
「へえー、結構いい感じだな」
部屋は和風をイメージさせる雰囲気で、それは来る人を癒すようなものである。
「はい、とっても和むような部屋ですね」
「うん。お部屋綺麗だし」
俺も渚も汐も、一瞬でこの部屋が気に入ったみたいだ。それだけ、印象に残るものであった……。
 持っていた荷物を部屋に置き、早苗さんとオッサンに呼ばれてから、もう昼になっていたので外に昼食を食べに行く。オッサンの友人から良い店があると教えられ、そこに食べに行き、みんな満足した様子だ。
午後は、動物園へと行く事になった。園内では専用のバスで周って見るもので、バスの外には色々な動物がいて見る事が出来る。
「シマウマが沢山いる。」
「しおちゃん、あっちにも沢山見えますよ」
「あっ、ホントだ。すごい」
この二人、さっきから俺の事を無視するような勢いで喜んでいる……。まあそれだけ、楽しんでいるって事だろうな。
一通り周ってから、みんなで買い物をし、汐と渚には動物のヌイグルミと、何故こんな所にあると思っただんご大家族のヌイグルミを一つずつ買ってあげたりして、ホント、楽しい時間であった。

 夜になる前に旅館へ戻り、夕食は豪勢な海の幸を堪能した後、俺達は温泉の方に向かっている。流石に二日もバス移動が続くと、体に疲れが溜まるもんだな……。まあ、それも温泉に浸かれば抜けるかな。看板が見え、そこで二人と一旦別れて中に入った。
「朋也くん~、気持ち良いですか」
「パパ~、気持ち良いね」
壁越しに渚と汐が話しかけてくる。丁度、俺達が入る頃には他の客もいなく、まるで貸切のように思えた。
「ああ、そうだな。気持ちいいな」
温泉に入った途端、もう何もかも忘れてしまいそうな心地よさになる。あ~、ホント温泉はいい……。体の芯から温まっていく……。
暫く浸かっており、あがろうかなと思っていた時にオッサン達が、俺らと交代するように入っていった。部屋に戻ってからは、今日の楽しかった事や明日の予定などを色々話したりしたのだ。渚も汐も、さっきから嬉しそうに話してくるから、ホント旅行に来て良かったなと思った。そして夜は更けていき、今日の事は俺ら家族の良い思い出となったのだ。

トラベル3に続く…

◆◇◆◇あとがき◇◆◇◆
 え~、就職関係でドタバタしたため、更新が大きく遅れたことを深くお詫び申し上げますm(_ _)m 結構急いで書いたため、多少もう少し書いたら良かったかなと思う所もありました。ホント、ほのぼのした内容ですね。後二話くらい書けるかな。次も、出来るだけ早く書いていくつもりです。それでは、感想をお待ちしております。

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20066/1初稿

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